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音楽の捧げ物(バッハ) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
音楽の捧げ物 Musikalisches Opfer BWV1079より

3声のリチェルカーレ Ricercare
2016年上越公演、佐渡公演演奏者
 チェンバロ:笠原恒則

5度のカノニカ Fuga Canonica in Epidiapente
2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹、十河佐智子(特別賛助)
 チェロ:中務浩(特別賛助)

作曲:1747年
1747年バッハはプロイセンのフリードリヒ大王の宮廷に招かれ、
王から与えられた旋律を使って即興演奏を行った。2ヶ月後その
主題を基に16曲の曲集を仕上げ、「王の命による主題と付属物を
カノン様式で解決した」と献辞を付け王に献呈した。

献辞はラテン語で"Regis Iussu Cantio Et Reliqua Canonica
Arte Resoluta"とあり頭文字をつなぐと"RICERCAR"となる。
リチェルカーレとはフーガあるいはカノンの様式の古い名前で
あり、言葉遊びの一種である。

2曲のリチェルカーレと10曲のカノンについては楽器編成や
曲順など不明で、演奏者の創意に委ねられている部分が大きい。

王の主題
RIC.jpg

3声のリチェルカーレ
チェンバロ1台で演奏される。曲集の中では
比較的単純な曲ではあるが、1台の楽器で一つの主題から
3つの声部が見事に展開される。

5度のカノニカ
高音の2声部が5度(ド−ソの関係)で追いかけ、絡み合う。
今回は高音をヴァイオリン2台、低音をチェロで演奏する。

楽譜:初版、旧バッハ全集31.2、新バッハ全集VIII/1

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春(ヴィヴァルディ) [曲目解説]

アントニオ・ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi(1678-1741)
 「和声と創意の試み」作品8第1集「四季」より
 ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調「春」第1楽章 "La primavera"
初版:1725年
ソネット:ヴィヴァルディ作?

2018年上越公演演奏者
 ヴァイオリン:伊野江利子(ソロ),奈良秀樹
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹
 チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹(ソロ),十河佐智子(特別賛助),伊野江利子
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:中務浩(特別賛助)
 チェンバロ:笠原恒則

ヴィヴァルディはヘンデル、バッハとほぼ同時期のイタリアの作曲家。
「四季」はクラシックのヴァイオリン協奏曲の中でも最も有名なもので
「春」「夏」「秋」「冬」の4曲からなり、それぞれの楽章には
ソネット(4行詩)がついている。

「春が来てはしゃぐ小鳥たちは陽気な歌でよろこび迎え、泉は
そよ風の息吹に、やさしくこんこんと湧き出る。黒いマントで空を
覆いつつ、気高い稲妻と雷が春の到来を告げに来る。口上が終わった
あとに 小鳥たちが再び、魅惑的な声で歌い出す。」

楽譜:初版Michel-Charles Le Cène、リコルディ社全集版
Bärenreiter社版(C. Hogwood編)

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カノン(パッヘルベル) [曲目解説]

ヨハン・パッヘルベル Johann Pachelbel (1653-1706)
3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノン ニ長調
Canon a 3 Violini con Baßo continuo
作曲:1680年頃

2018年上越公演演奏者
 ヴァイオリン:伊野江利子, 奈良秀樹, 和田意織
 チェロ:金山美樹、チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹,十河佐智子(特別賛助),伊野江利子 
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:上野敦子 、中務浩(特別賛助)
 チェンバロ:笠原恒則

パッヘルベルはJ.S.バッハより一世代上のドイツの作曲家。
バッハ家と親交があり、J.S.バッハの長兄ヨハン・クリストフ・
バッハはパッヘルベルの弟子。

カノンは一つの旋律を楽器や歌で順番に開始して演奏する曲の形式。
この曲では2小節ずつずらして3台のヴァイオリンが同じ旋律を
演奏する。原曲の編成にヴィオラで和声を追加して演奏する。

楽譜:自筆譜(ベルリン国立図書館)

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G線上のアリア(バッハ) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ
 Johann Sebastian Bach (1685-1750)
組曲(序曲)第3番 BWV1068 第2曲エア Air
作曲:1730年以前

2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹、十河佐智子(特別賛助)
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:上野敦子

「エア」とは歌のこと。5曲から成る管弦楽組曲第3番のうちの1曲。
わずか18小節の曲であるが、低音の落ち着いた歩みに美しい旋律が
導かれ、内声部が絶妙に絡む文句なしの名曲。

ドイツのヴァイオリニストのヴィルヘルミが1871年にヴァイオリンの
一番低い弦G線で弾くように編曲したものが当時有名になったため、
「G線上のアリア」と呼ばれるようになった。実際にはこの編曲以外で
ヴァイオリンのG線で旋律が弾かれることはほとんどない。

楽譜:一部自筆パート譜(ベルリン国立図書館)、旧バッハ全集31.1
新バッハ全集VII/1

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主よ人の望みの喜びよ(バッハ) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ
 Johann Sebastian Bach (1685-1750)
教会カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまもて」より
コラール「主よ、人の望みの喜びよ」
コラール歌詞:マルティン・ヤーン(Martin Janus)
初演:1723年7月2日ライプツィヒ、マリア訪問の祝日

2016年佐渡公演演奏者
 ソプラノ:長谷川みちる バリトン:長谷川徹 テノール:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹,十河佐智子(特別賛助),伊野江利子
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:上野敦子 、中務浩(特別賛助)
 チェンバロ:笠原恒則

原曲は2部構成の大規模な教会カンタータ。1723年5月にバッハは
ライプツィヒのトーマスカントル(音楽監督)となり、直後にカン
タータ75番、6月にカンタータ21番、76番、7月にこの曲と次々と
大作カンタータを初演しており、気合いがうかがわれる。

「主よ、人の望みの喜びよ」はクラシック音楽の中でも最も有名な
曲の一つ。このカンタータでも前半(第6曲)および後半(第10曲)の
最後の2回歌われる。この2曲は歌詞のみ異なり、それぞれヤーンの
ドイツ語コラールの第6節と第16節を用いている。

第10曲の歌詞はイギリスの詩人Bridgesにより19世紀に
"Jesu, Joy of Man's Desiring"と翻訳され、さらに日本語訳した
「主よ、人の望みの喜びよ」として有名になった。

楽譜:自筆譜スコア(ベルリン国立図書館)、旧バッハ全集30巻
新バッハ全集I/28

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オンブラ・マイ・フ(ヘンデル) [曲目解説]

ジョージ・フレデリック・ハンデル(ヘンデル)
  George Frideric Handel (1685-1759)
オンブラ・マイ・フ(懐かしい木陰) Ombra mai fü
歌詞:ハンデル
初演:1738年4月15日ロンドン

2018年上越公演演奏者
 バリトン:長谷川徹 オーボエダモーレ:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹  チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

2016年佐渡公演演奏者
 バリトン:長谷川徹 オーボエダモーレ:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹、十河佐智子(特別賛助)、伊野江利子
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:上野敦子  チェンバロ:笠原恒則

オペラ「セルセ」(Serse, Xerxes, 1738年)第1幕第1場、オペラの
初めに歌われるペルシャ王セルセ(クセルクセス1世)のアリア。
王が帰国途中プラタナスの大樹を気に入ってしまったという伝承に
よっている。作曲当時はカストラート(去勢された男性歌手)に
よって歌われた。

もともとヘンデルのオペラアリアの中でも有名な曲であるが、
日本ではキャスリーン・バトルによる演奏が1980年代後半に
テレビCMで使われ大ヒットとなった。
伴奏にオーボエダモーレも加えた編曲版で演奏する。

歌詞(イタリア語)
Ombra mai fù di vegetabile,
cara ed amabile, soave più

歌詞対訳
(プラタナスの)木陰よ
何よりいとおしく愛らしく快いもの

楽譜:ヘンデル協会版

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アヴェマリア(バッハー=グノー) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ
  Johann Sebastian Bach (1685-1750)
シャルル・フランソワ・グノー
 Charles François Gounod (1818-1893)
アヴェ・マリア Méditation sur le premier Prélude de S. Bach

2016年佐渡公演演奏者
 ソプラノ:長谷川みちる チェンバロ:笠原恒則

原曲はバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第1曲の前奏曲。
百年以上後の1853年、フランスの作曲家グノーがヴァイオリンまたは
チェロのために全く新しい旋律を付け加えて、「瞑想曲」"Méditation"と
名付けて出版された。その後グノー自身が、独唱および混声合唱歌曲に
編曲している。多くの音楽家がさらに様々な編成用に編曲している。

「アヴェマリア」の中でも有名な曲で、ラテン語歌詞のものでは一番有名。
ちなみにシューベルトのアヴェマリア(エレンの歌)はドイツ語、
ヴァヴィロフのアヴェマリア(いわゆるカッチーニのアヴェマリア)は
"Ave Maria"を繰り返すのみ。

楽譜:IMSLP

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BWV49の成り立ちについての考察(あるいは妄想) [曲目解説]

以下はJ.S.バッハの教会カンタータ第49番BWV49と関連して
チェンバロ協奏曲BWV1053についての藤原の私見です。

一応はいろいろ考えた上でBWV49をD-durで再構成したという
ことなんですが、結局はバッハマニアの妄想なので眉につばして
読んでください。ただし最後まで読むような人はきっと
バッハマニア仲間です。

なおバッハマニアの妄想は私だけでなく世界的に展開されています。

1)自筆譜の特徴
歌管弦は#4個、ソプラノはハ音ソプラノ記号、バスはヘ音記号、
オーボエダモーレ、ヴァイオリンはト音記号、ヴィオラはアルト記号、
オルガン"Organo obligato"は#2個、右手ト音記号左手ヘ音記号で
記譜、ほとんど数字なし、重音なし。通奏低音"Basso"の記載なし。
4曲目チェロピッコロ"Violoncello piccolo"はト音記号。

また1曲目にはほとんど音符や譜割りの訂正がなく、原曲を写した
ように思える。
表紙編成
manuscript_inst.jpg
6曲目アリア開始部
manuscript_6top.jpg

2)1曲目シンフォニア:BWV1053からの転用について
 バッハの2台チェンバロのための協奏曲BWV1053(1739年) E-Dur
原曲があるというのはほぼ定説。原曲はケーテン時代
1720年頃作曲のオーボエダモーレ協奏曲D-dur(またはオーボエ
協奏曲F-dur)という推測が主流で録音も多い。
 しかし私見ではBWV1053は1,2,3楽章の繋がりがやや
不自然に感じられるし、特に第3楽章は終楽章らしくない印象
(1楽章らしい)。そこでケーテン時代作曲未発見オーボエ
ダモーレ協奏曲ニ長調が存在し、その第1楽章がカンタータ
第49番1曲目シンフォニアに転用されたと妄想する。
 オーボエダモーレソロはD-durのままバッハ自身が弾くオルガン
ソロになり、弦楽器とリピエーノのオーボエダモーレのために
E-durで伴奏が移調されたとすると、作曲の手間からも一応は
納得しやすい(本当か?!)。

3)第2曲バスアリア
E-durオルガンソロの右手フレージングはトラヴェルソが最適に
聞こえる。音域は最低音Cis、最高音Dなので未発見のd-moll
トラヴェルソオブリガートのアリアまたはトリオソナタがあると
ぴったり。証拠は全くなく完全に妄想の域です。

4)第3曲レチタティーヴォ
この曲で初めて2カ所だけ通奏低音の数字が記入。

5)第4曲ソプラノアリア
ソプラノ、チェロピッコロ、オーボエダモーレのA-durアリアは
ちょっと異常な構成なのに大バッハ以外には考えられない
他には動かし様のない曲の作り。間違いなくオリジナルで
この曲を中心に全曲を構成したような気がします。

6)第5曲レチタティーヴォ
これは普通のレチタティーヴォ。第6曲へのつなぎ。

7)第6曲デュエット
リトルネッロ形式の器楽的な風合いが強い。以前に作曲した
器楽曲の主題をもとにバスの歌を組み込み、さらにソプラノの
コラールを乗せたような気がします。

以上をまとめて妄想をまとめると
初演日のメンバーはリピエーノ弦楽隊、かなり上手なチェロ
ピッコロ奏者、まあまあ上手なオーボエダモーレ奏者とバッハ自身が
オルガンという設定。チェンバロはなし、または弟子。

バッハの曲全体の構想としては、以上のメンバーを考えて
第4曲ソプラノアリアをまず作曲
→第4曲にあわせて第3曲、第5曲のレチタティーヴォを設定。
→第2曲のバスアリアを幻のフルート付器楽曲から転用して
歌の最初の曲に据える。
→第6曲デュエットは妄想器楽曲をもとに歌をつけて完成。
→第1曲シンフォニアを新たに作るには時間が足りなくなり、
D-durオーボエダモーレ協奏曲の第1楽章をくっつけて全曲完成
(なんて失礼な書き方(^_^;))。

オーボエダモーレ奏者には最初に作ったソプラノアリアの
オブリガート譜面は早めに渡せたが、他の曲は間に合わなかったので
とりあえずリピエーノヴァイオリンとユニゾンにした。

*)チェンバロ協奏曲BWV1053の原曲について
チェンバロ協奏曲BWV1053(1738年頃)はバッハのお気に入り楽章を
集めた曲のようで、BWV169の第1曲シンフォニアはBWV1053の
第1楽章、第5曲はBWV1053の第2楽章。BWV49の第1曲は
BWV1053の第3楽章。
そしてBWV169初演は1726/10/20、BWV49初演はその2週間前
1726/11/03と2週間しか違いません。忙しかったのでしょう。

オーボエ属協奏曲と思われる原曲については、BWV1053の
第1楽章と第3楽章は別の曲のそれぞれ第1楽章で、2曲または
3曲から転用したのではないかと想像。
第1楽章はF-durオーボエでもD-durオーボエダモーレどちらもありか。
第3楽章(BWV49シンフォニア)は音色からも弦楽伴奏の譜割りからも
F-durよりD-durオーボエダモーレの方が素直な印象。ただし曲調は
第3楽章ではなく第1楽章がよさそう。
第2楽章はよくわからない。オーボエの曲ではなかったかも。


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グラウプナー組曲GWV437楽譜校訂覚え書き [曲目解説]

1)自筆譜スコアの特徴
推定作曲年は1737年。
曲全体の題名はなく、冒頭に"Ouverture"と楽器編成を記載。
曲中に楽器名は記載なし。
オーボエダモーレはinAで記譜、通奏低音の数字なし。
曲名または速度記号が記入されているのは
Ouverture, Marche, Gavotte alternat., Sarabande,
Air alternat., Polonaise, Menuetの7曲で1曲は無題。
Ouvertureの各部には速度記号なし

自筆譜冒頭
title.jpg

2)Ouverture
リュリ以来の典型的な序曲。付点リズムのゆったりした二拍子系の
序奏、急速な三拍子系のフーガ風味の中間部、序奏と同じ付点リズムの
締めの構成。速度記号はないが、Grave - Allegro - Graveは
ほぼ確実。Grave冒頭の付点4分音符+8分音符のリズムは、
現代書式では複付点4分音符+16分音符となる。
中間部は6/8拍子で3声部のフーガ風だが、厳密な進行ではなく
かなり自由に展開され、快活な雰囲気を作り出す。

Grave冒頭
grave.jpg

3)Marche
グラウプナーの器楽曲には時々マーチが入っています。
バロックアンサンブル上越2016、上越公演では割愛。

4)無題(Air)
舞曲ではなくオーボエダモーレによる穏やかな歌謡曲。
低音はピチカートを指定。バロックアンサンブル上越2016では
演奏効果を考えて弦楽パート全部ピチカートで演奏します。
冒頭
contentamento.jpg

5)Gavotte alternat.(Gavotte 1), 無題(Gavotte 2)
快速な2拍子のガヴォットの舞曲。Gavotte1ーGavotte2ー
ダカーポしてGavotte1と演奏される。
"alternat(ive)"は交互に演奏の意味。

6)Sarabande
ゆったりした3拍子の舞曲。単純な構成だがオルガンポイントの
ような持続音を効果的に用いている。
冒頭
sarabande.jpg

7)Air alternat. (Air1), 無題(Air 2)
明るい4拍子の器楽曲。エア1はホーンパイプ風の快活な弦楽合奏。
エア2はオーボエダモーレが入り、少し柔らかい中間部を作り、
ダカーポしてエア1に戻る。

8)Polonoise
ポーランド発祥の遅めの3拍子の舞曲。バロック音楽後期の
フランス、ドイツでは盛んに作曲された。
この曲は頻繁に転調し、しかも離れた調性にとんで、独特な
和声感がある。
バロックアンサンブル上越2016、上越公演では割愛。
冒頭
polonoise.jpg

9)Menuet, 無題(Trio 1), 無題(Trio 2)
3拍子の舞曲。メヌエットートリオ1ーメヌエットー
トリオ2ーメヌエットと続けて演奏される。

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教会カンタータ第49番(J.S.バッハ) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
カンタータ第49番 われは行きて汝をこがれ求む
 BWV49 Ich geh und suche mit Verlangen
歌詞:作詞者不詳、コラールはフィリップ・ニコライ(Philipp Nicolai)
初演:1726/11/3ライプツィヒ、三位一体後第20日曜日
編成:独唱(ソプラノ、バリトン)、独奏オルガン、Oboe d'Amore、
 2Violin、Viola、Violoncello piccolo、通奏低音

2016年上越公演、佐渡公演演奏者:
ソプラノ:長谷川みちる バリトン:長谷川徹 オーボエダモーレ:藤原 満
ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子 ヴィオラ:渡辺みほ
チェロ:上野敦子 チェンバロ:笠原恒則

三位一体後第20主日(だいたい秋)のためのカンタータ。
バスとソプラノソリのためのカンタータはDialogue cantata
(対話カンタータ)と呼ばれる。カンタータ第58番、第152番、
第32番、第57番が同じ形式。
バスがイエス、ソプラノは魂を表し、対話劇のように進行する。

自筆譜スコアはオルガン以外ホ長調、オルガンはニ長調で記譜されており
低ピッチの弦管と高ピッチのオルガンの組み合わせである。また、
第1曲シンフォニアはオーボエダモーレ協奏曲からの転用と推測される。
以上を踏まえ、今回は原曲のホ長調をニ長調に移調し、さらに
オルガン独奏パートをオーボエダモーレとヴァイオリンに振り分けた
編曲版を用いる。またチェロピッコロはチェロで演奏する。
詳細は別項で解説

第1曲 シンフォニア(器楽のみ)
 今回はオルガンソロをオーボエダモーレで演奏する。チェンバロ
協奏曲BWV1053第3楽章として残っている幻のオーボエダモーレ
協奏曲から転用された可能性が高い。BWV1053からは教会
カンタータ第169番にも転用されている。

第2曲 バスアリア
 バス(イエス)が花嫁を探し求めるアリア。
 今回はオルガンソロをヴァイオリンで演奏する

第3曲 ソプラノ、バスレチタティーヴォ
 イエスと魂が出会いの喜びを歌う。
第4曲 ソプラノアリア
 ソプラノ(魂)がイエスに祝福される喜びを歌う。
 ソプラノ、チェロピッコロ、オーボエダモーレの重奏を
 通奏低音が支える。今回はチェロピッコロをチェロで演奏する。

第5曲 ソプラノ、バスの対話レチタティーヴォ
 イエスと魂が結婚の約束を歌う。
第6曲 独唱バスと合唱ソプラノ
 イエスと魂による喜びの重唱。ソプラノはコラール(賛美歌)を
 歌う。今回はオルガンソロをオーボエダモーレで演奏する。

もちろん教会のミサのために作られた宗教音楽ですが、歌詞と
音楽そのままでもほとんどラブソングです。

和文対訳(川端純四郎氏訳) 川端氏Webサイトへ

楽譜:自筆スコア(ベルリン国立図書館)、旧バッハ全集X、新バッハ全集I/25

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